青木久美 音楽療法士としてのドラムサークル for ウェルネス

青木久美 音楽療法士としてのドラムサークル for ウェルネス

昨年のウェルネス。1日だけの参加になってしまったことを後悔したので、今年は頑張って仕事を調整し、2日間参加してきました。高齢者を対象にした研修だったので、現在携わっている方々とは少し離れるけれど…と思っていたのですが、予想以上に多くの学びがありました!
 
講師のお一人の飯田さんは、長年継続している高齢者の現場の実践を、惜しみなく私たちに教えてくださいました。ビデオで、高齢者の方々の、それは生き生きとした表情、歌声、動きを拝見し、ドラムサークルがいかに生活、人生に彩りをもたらしているのかを感じました。
 
飯田さんのピアノ。初めてお聞きしましたが、とってもステキでした。浜千鳥のベルとトーンチャイム演奏のトライアル。普段、近いことを仕事でやっているはずなのに、何であんなにきれいに聞こえたのでしょう?
 
そしてもう一人の講師、Lisa Collenさんの「Golden Groove」の研修。まず、Lisaさんのあまりにも自然で、美しい動きのファシリテーションと、その sweet な人柄に瞬く間に虜になりました。今回が日本初の機会という、Lisaさんが長い年月をかけて考案・構築した「Golden Groove」プロトコルを2日間に渡り、実践を交えて学びました。
 
このプロトコルの軸は movement と groove ですが、どちらも大変良く考えられた段階が設定されていて、アクティビティ毎に身体がほぐされ、groove が熟していきます。1日目は、Lisaさんのファシリテーションで活動するのが楽しくて楽しくて。でも2日目、グループワークをしてみると、彼女がやっていることがいかに難しいか、自分が理解していることが、いかに表面的なことかを知ることになるのです。
 
理論的にも実践的にも落とし込むのには、時間が必要ですが、このプロトコル、高齢者領域に関わらず、ドラムサークルに関わらず、絶対使えます!
 
研修の中で、Lisaさんは何度も「私はこうやってやってるけれど、あなたたちは現場に合わせてアレンジしていいから」ということを言っていました。その寛大な心、とても尊敬しますが、だからこそ、基本をしっかりおさえておかなくては!と思います。
 
もう一つ。とても考えさせられることがありました。彼女は「◯◯ではありません。△△ではありません。」と、他の専門職や活動と区別して、自分の立場、アプローチを明確にする姿勢を示していました。現在、私は音楽療法士として複数の現場に雇用されていますが、改めてその専門性について問われている気がしています…。9月の学術大会でも、さまざまな場面でそのことが話題になっていましたが、音楽療法士一人ひとりが真剣に考えていく必要があるのかもしれません…。
 
今回初めてお会いしたみなさま、久々に再会したみなさま、一緒に時間を過ごせたこと、とても嬉しく思っています。またお会いできる日を楽しみにしています。
 
青木久美